昔からのSHARPのロゴ
2010年からのロゴ
やはり目指している未来が違いますね、目の付け所がシャープなSHARP。
<シャープ>「出直し」躍起 中小企業化、資本金で累損一掃
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150510-00000008-mai-bus_all
経営再建中のシャープが現在1218億円ある資本金を1億円に減らす方針を決めたことが9日、分かった。6月下旬の株主総会で承認を受け、実施する。資本金を1億円以下にすれば、法人税法上の「中小企業」とみなされ、税制上の優遇措置が受けられる。資本金を取り崩して累積赤字を一掃し財務体質を改善、法人税の減免を利益拡大に役立てる。売上高約3兆円の電機大手ながら「中小企業」として、なりふり構わず生き残る姿勢を示す狙いがある。
あのシャープが中小企業に!
売上が2兆円を超えるシャープが中小企業になるってどういうことなんでしょう。社員も連結で5万人いるわけです。そもそも中小企業かどうかは、「中小企業基本法の定義で決まっています。」シャープは製造業だから、資本金3億円以下又は従業員数300人以下です。シャープの資本金は、1,218億8,400万円(100万円未満は切捨)(2014年3月31日現在)。どう考えても大企業ですが(^^;
そこで、今回資本金を1億円まで減資とのことです。
ん!1億円。中小企業の定義は製造業なら3億円以下ですから、より思い切ったなあと思ったら、そこには理由がありました。法人税法の定義での中小企業は資本金が1億円以下なのです。
なんで定義が違うのよ!
そもそも、複数の定義がある辞典でおかしい気もしますが、ここは財務省と中小企業庁のちから関係なんでしょうか。中小企業庁が決めた定義なんて、財務省に関係ないよ〜ん、と1億円にしたのでしょうかね。税法上の中小企業は税制優遇されています。資本金3億円まで優遇したら、税収が減るから、おいら財務省的には1億円にするかね〜!と(妄想)
それで税法上中小企業になると何が得なのよ?
(1)法人税率の軽減税率
そもそも税率が違うわけですね。中小企業のほうが税率が安い!
ん・・・しかし、シャープさん利益出てましたっけ?赤字なら税率が低くても・・・・変わりない!?
(2)中小企業の年800万円以下の交際費が全額損金算入
全額というのは大きいですが、800万くらい損金に算入できてもシャープさんにはそんなに影響なさそうですね。誰の交際費をつけるのだろうか?社長のだけw
(3)中小企業再生円滑化税制について
長引く不況の中で、経営の苦しくなった会社に対して、中小企業の社長等が自らの私財をなげうって、個人保証債務を履行し、再建を目指す場合や、廃業していくが未だ会社が解散していない場合にも、その資産譲渡益のうち会社への求償ができない分については、譲渡所得がないものとして扱われます
シャープの取締役とかで資材を投げ打っている方がいるのかは把握していませんが、まあ、あんまりいないのでは?そうするとあんまりこれもメリットがなさそうですね。シャープにとっては。
(4)外形標準課税
ここまで1億円に減資してもあまり特はないようですが、外形標準課税はお得になりそうですかね。
◯外形標準課税とは
法人事業税 (道府県税 ) を,建物の規模や面積,従業員数,売上高など企業活動や事業規模を反映する基準を導入して課税する方式
売上高を基準として課税されていたわけですから、大きな売上のあったシャープには重荷だったのでしょうか。
・法人事業税(外形標準課税適用法人)の税率
税率の見方はよくわかりませんが以下の表のとおりです。
外形標準課税の対象は資本金1億円を超える法人が対象です!今回1億円の資本金にするには、これかこれが狙いなのか?
そして、事業年度終了の日現在における資本金で判断されるので、今季から対象になり、税金が下がるわけです。
それよりも減資のメリット?
資本金を取り崩して累積赤字を一掃し財務体質を改善
資本金を取り崩して累積赤字を一掃し財務体質を改善
資本金を取り崩して減資することがどういうメリットが有るのでしょうか?よくわからないので他の人のブログを見てみましょう。
シャープの99%減資の意味すること
シャープの99%減資についてまとめてみた
報道によると、シャープは、累積損失を一掃するために減資をするのだ、と。お分かりになりますか? 分かりづらいですよね。会社が何期も赤字を続け、多額の累積損失を抱え込んでしまった場合、どう対応したらいいのか?会社は通常、債務超過にならないように最大限の努力をします。債務超過になってしまうと、債権者から破産させられてしまう恐れがあるからです。従って、通常は増資をして債務超過にならないようにするのが普通の考え方なのです。しかし、シャープは増資はしないで逆に減資をする、と
今現在、シャープの資本金は1200億円ほどあると言われています。1200億円もの資本金を有していると外部の人が知れば、そう簡単に倒産などする筈はないと普通思う訳です。しかし、シャープはその一方で多額の累積損失を抱えています。つまり、幾ら資本金が1200億円あるといっても、ひょっとしたらその資本金はもはやないに等しい状態になっているかもしれないのです。であれば、そのような頼りにならない資本金を計上しておくよりも、その資本金を帳簿から落とすと同時に累積損失を解消した方が分かりやすいのでは、という考えが生じる訳です。いつまでも多額の累積損失を抱えておくよりも、その方が健全だ、と。
シャープの2014年3月期の連結決算では、資本金が1218億円、資本剰余金と利益剰余金をあわせた剰余金が約2300億円あった。15年3月期は2000億円超の最終赤字となったもようで、剰余金が目減りするのが避けられない。さらに16年3月期も1000億円規模の最終赤字が見込まれ、剰余金がマイナスになりかねない状況だ。このため、減資であらかじめ資本金を剰余金に振り替えておいて、新たに生じる赤字を補填できるようにしておく狙いがある。
目的は、「マイナスとなる利益剰余金をプラスにするため(欠損填補)」とのことです。
利益剰余金がマイナスのままでは、何かと都合がわるいので、プラスにしたい。
↓
そのためには、資本金から利益剰余金に振り替えるしかない。という理屈・理由で、資本金を減額するわけです。2015年12月末時点の四半期報告書を参照すると、シャープの利益剰余金は約1,278億円ですから、2015年・2016年度の純損失で、また利益剰余金がマイナスになってしまいます。そのため、資本金を予め利益剰余金に振り替えておく、いうことだと考えられます。
利益剰余金がマイナスの状況では、株主への配当は行えません。その結果、株価もさらに低迷してしまいます。株価が低迷すれば、今後、証券市場で公募増資をする際に集められる資金の額が減少してしまいます。「利益剰余金がマイナスだと何かと都合が悪い」というのは、こういう意味です。
うーむ、なんだかわかったようなわからないような。
今後立てなおすのには、株価が低いと苦しい。でも配当できないので株価は下がる。それを防ぐためにも利益剰余金をマイナスにしないため、資本金から振り替えるための減資だ!ということですかね。
そこまでしないと生き残れないの?
いずれにせよ、この資本金1億円のウルトラCを実行するためには株主総会だけではだめで、債権者異議申述公告を実施して、広く、債権者の同意を取っていかねばならないのですね。茨の道は続く。
なにか財務的にすごくテクニックに走ったような印象もありますね。もちろんこれで立ち直れば、結果オーライなのでしょうが、言わずもがな、やはり財務より本業での明るい兆しを見せてほしいと思うわけです。