翻訳支援システムCAT


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翻訳支援システムCAT Computer Aided Translation

  • 翻訳支援システムCAT Computer Aided Translationは、機械翻訳システムとは少し異なります。
    • 一般ユーザ向け(無料)翻訳支援システムCATは、以前に紹介したGoogle ToolkitやオープンソースのOmega Tなどがあります。
    • プロ向けの有料な翻訳支援システムCATとしては、SDL/Tradosが有名です。
  • Tradosについて紹介します。
    • 翻訳支援ツールは機械翻訳ではなく、翻訳者の訳作業を支援するためのデータベースです。
    • マニュアル翻訳や繰り返しが多いなど、翻訳の再利用(訳文の高い流用性)に適しています。
    • 翻訳品質の統一性、安定性とそれに付随するコスト削減・スケジュール短縮に特色があります。

Tradosの翻訳フロー(英日)

  • Tradosによる英日の翻訳フローは次の様になります。
  • 原文ファイル(英語)はワード文書、PDF文書、htmlファイルなど、いずれのファイル形式にも対応しています。
  • Trados TM (Translation Memory=翻訳メモリ)を作成します。
    •  原文ファイルからTrados専用ファイルへコンバートします。
    • Trados使用による翻訳では、レイアウトタグ情報と原文/訳文をTMにセンテンス単位で登録します。
    • Trados専用ファイルから、ワード文書等など訳文ファイル形式へコンバートします。
  •  最終的に構築されたTM
    • この中には、原文と最終の訳文が登録されるので、次回のバージョンアップ時に、同じ原文を登録すると登録された訳文を適用することが可能になります。
  • バージョンアップ時
    • TM内を参照しながら新たな原文を翻訳します。これを繰り返します。

 

Tradosの解析(アルゴリスム)/マッチング

  • TM内は英語と日本語のペアとなって格納され、以下の様にtag付けされます。
    • <tag>ABCDE</tag><tag>あいうえお</tag>
    • <tag>FGHIJ</tag><tag>かきくけこ</tag>
  • TM内の原文(英語)と実際の翻訳対象ファイル(英語)との原文同士のマッチング(比較)が行われます。
  • 解析結果/マッチングとしては、
    • 100%マッチ 訳文をそのまま流用する箇所
    • 5%~99%マッチ 前回の英文と同じではないが訳文を編集して流用する。
    • No Match 新規で翻訳する箇所
    • Repetitions 繰り返し

プロジェクトと用語ベース

  • 複数の翻訳者が同時に作業をする。つまりプロジェクトがプロの現場では行われます。
    • 実際には、同じ調べ物を別々の翻訳者がするために作業効率が悪い。
    • しかもできあがった翻訳では、訳語がバラバラで誤訳が含まれる結果になる。
  • 翻訳での用語集の重要性
    • 訳語を統一し、混乱が生じないようにします。特に、専門用語が多い場合には用語集が有効であると言われています。
  • Tradosの用語管理ツール MultiTerm
    • 用語ベースと呼ばれる用語集のデータベースを管理します。単語単位のデータベースで、文単位のデータベース(翻訳メモリ)をサポートしていきます。
    • テキストやExcelなど様々な形式をMultiTermに取り込み集中して検索できるとても便利なツールです。
    • 更に、複数の用語ベースを一度に検索できる。例えば、医療機器の翻訳では、医学用語、機械用語、製品固有の用語などの用語集を使うことが出来ます。

Tradosでのプロジェクトの進行

  • プロジェクトマネージャーの役割1
    • プロジェクトの作成を行います。
      • まず初めに、翻訳メモリ、用語ベース、言語ペアなどリソースを設定します。
      • 次に、翻訳者、校閲者へのタスクを割り振ります。そして文字数、再利用、進捗をモニタリングします。
    • プロジェクトパッケージの作成、パッケージの送信
      • プロジェクトメンバーに送信する全てのファイルを含む1つのzipファイル(プロジェクトパッケージ)を作成し、このパッケージを翻訳者に送信します。
      • プロジェクトパッケージに含まれるものは、バイリンガルのTradosファイル、プロジェクトの設定/資源、翻訳メモリ、用語ベースです。
    • 翻訳者の役割1
      • プロジェクトマネージャーから送付されたパッケージを開き、ファイルの翻訳を行います。翻訳が終了したプロジェクトパッケージを校閲者に送信します。
    • 校閲者/レビュー担当者の役割
      • 翻訳者から送付されたパッケージを開き、ファイルのレビュー/校閲を行います。内容によっては修正のために翻訳者に送り返します(却下) 校閲終了後、返却パッケージを送信し、承認します。
    • 翻訳者の役割2
      • 翻訳者は校閲者から送信されたパッケージを開き、返却パッケージの確認を行い、承認された返却パッケージをプロジェクトマネージャーに送信します。
    • プロジェクトマネージャーの役割2
      • 翻訳者から送信されたパッケージを開きファイルの確定
    • フロー図はTradosのマニュアルより引用、Tradosの詳細については、下記HP参照下さい。
      http://www.sdl.com/jp/solution/language/translation-productivity/trados-studio/

検証とその他のCAT

  • 翻訳支援システムCATは検証機能が充実しています。例えば、以下の様な検証が行えます。
    • 原文のままの分節や空白の分節などの、訳漏れ防止に有効です。
    • 編集されていないあいまい一致がないか、訳文が編集されていないのを見出します。
    • 原文と訳文の末尾にある句点のチェックし、原文にピリオッドがあるのに訳文に句点がないを指摘します。
    • 数字、時刻、日付、単位のチェックを行います。
    • 単語リストのチェックを行い、訳し方が決まっている語句はここで指定します。
  • Memsource https://www.memsource.com/ja/
    • チェコでつくられた操作性がいい翻訳メモリです。
    • 有料であるTradosと異なり、プロジェクトの翻訳者は無料で使用でき、プロジェクトマネージャーと繋がります。

広がる翻訳需要に向けてプロ、アマを問わずIT化で、今後対応していくものと予想されます。

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