創業の時には、色んなITが必要になります。自社の存在を発信するために、ホームページや、ソーシャルメディアの活用が必要でしょう。しかしその前に、今まで会社員だった方は、名刺も作らないといけないし、チラシや会社紹介をどのように作ろうか、顧客管理をどうしようかといった、さまざまな問題が出てきます。
コストを抑えて最初に整備すべきツールやITサービスについてまとめていきたいと思います。
(1)名刺作成
まずは、名刺からでしょうか。もちろんかっこいい名刺を作りたいですが、創業当初に考えていたことが、しばらくして変わったりやる事業も軌道修正したりする場合が多いので、名刺もすぐ変更したくなります。1枚目の名刺は気合を入れすぎずシンプルに作って、徐々にバージョンアップしていったほうが良いのではないでしょうか。私の名刺も今使っているのがバージョン3です。
そして実際に名刺を発注するわけですが、デザイナーに頼んで印刷業者さんで印刷してもらうと、それなりにお金がかかります。私の今の名刺は写真2万+デザイン1.5万+100枚で3,000円でした。まあ、高くはないですが、もっと安くできないか・・・ということで、はじめて名刺を作った時は、VistaPrintを利用しました。
100枚で990円! 1枚10円しません。名刺のデザインテンプレートを選んで、名刺の情報を入れていくだけで名刺が出来上がります。もちろん、自分で画像をデザインできる人は、その画像をアップローロして、名刺をプリントできますよ。
後日談ですが、私は990円で発注するはずが、初回にVistaPrintさんに3,000円程度支払ってしまいました。なぜなら、100枚990円で発注ボタンを押すと・・・
「ありがとうございます。いまなら200枚で1480円にアップグレードできます
「ありがとうございます。今なら、封筒に住所や電話番号などを印字するゴム印もセットで購入できますよ!」と言ってくるので、そうだな・・・これから郵便物も多く出すだろうからと購入しました。 そして合計が3,000円近くになりました。
創業のITとは、あんまり関係ないですが、より単価の高い商品を購入してもらう”アップセル”や、関連商品を購入してもらう”クロスセル”の提案は重要ですよね。でも、購入前にあれやこれやすすめても、うっとうしいだけです。やはり、購入した瞬間におすすめすることが重要ですね。
(2)名刺管理から年賀状の発送まで
名刺を作ったら、つぎは名刺管理。多ければいいってもんじゃないですが、年間1,000枚くらいは名刺を頂いている気がします。油断していると名刺の山に埋もれ、必要な名刺が見つからなくなります。スキャナーで取り込んでデータ化でもいいのですが、
だからスマホに名刺データは入れておきたいですね。
いろいろ名刺管理アプリはありますが、私が愛用しているのは、WorldCard Mobile。850円
名刺を撮影するときに明るいところで撮れば、ほぼ間違いなく文字情報として認識してくれます。そしてうれしいのは、スマホの電話帳に名前や電話番号、メールアドレスを登録してくれます。
名刺交換して、すぐこのアプリで名刺を取り込んでおけば、その後、名刺交換した方から電話がかかってきたら、名前が着信時に出るわけです。
色んな人と連絡を取るわけで、着信名がでないと不安になりますが、これだと安心ですね。
それ以外に、SA連絡先アプリを使うと、スマホに登録されているアドレスを一覧のエクセルにしてメールで送ることができます。
こちらも便利ですよ。343円。いきなり顧客管理システムを導入するのも大変ですので、最低限、顧客リスト、見込み顧客リストをエクセルで整理しておくだけでも役に立つはずです。
年賀状やDMを出していくのに一覧化されていると便利ですよね。
私は年賀状は、郵政公社の郵便年賀.jp使っています。エクセルの名簿をアップロードして、年賀状テンプレートを選ぶだけで、あの煩わしかった年賀状作成が楽ちんになります。
郵便年賀.jpの中に ウェブポというサービスがありますが、ほぼ全自動で年賀状が発送出来ちゃいます。
(3)会社紹介、チラシの作成
名刺と同じく、こちらもプロや印刷屋さんに頼んでもいいのですが、創業当時につくったチラシや会社紹介っていまいち気に入らなくてすぐ作り直したくなるんですよね。なので、最初は、自分で作ってみて、2−3回変更して、内容が固まったところで、デザイナーの方に頼むほうが、コストは安くつくかもですね。
とはいえ、チラシを作るのはちょっと難しいし、なんのソフトで作ろうか・・となるのですが、わたしは、マイクロソフトのPowerPointで簡単なチラシなら作ってしまいます。
ある製造業さんで簡単ですが作ったチラシです。実際は裏面は会社紹介情報を掲載しています。
まあPowerPointっぽいよね・・・と感じたかもしれませんが、今までチラシ・会社紹介がなかったので、最初としては十分かなと思います。
必要な写真を用意して、後は文章の説明やキャッチコピーをつけていくわけですが。ここで、文字については、フォントの選択によってだいぶイメージが変わってきます。
MSゴシックやMS明朝だと、いわゆるビジネス文書っぽくて、チラシには向きません。とはいえ、最初から用意されている有効なフォントの数は多くありません。
そこで、無料フォントをダウンロードして使ってみてはいかがでしょうか。無料フォントのまとめサイトなどがあります。自社のイメージに合うフォントを探してみるのも楽しいものです。
フォントはダウンロードして、ダブルクリックしたらインストールできると思います。
参考:フォントのインストール(MAC OSの場合)
なお、フォントは利用条件が、無料のものもあれば、商用利用は有料のものもありますので、利用条件を確認してから使う必要があります。
PowerPointでチラシができたら、後は印刷。これも印刷会社に持ち込んでもいいのですが、ネットでプリントパックなどで頼むと安いですね。A4光沢紙90kgだと、カラー片面で、6−7円でプリントできます。コンビニでからコピーすると80円とかとられることを思うと、1/10以下ですね。
(4)Airレジ(お店のレジ)
これは、飲食やサービス業の方になりますが、スマホやタブレットで使える無料のレジです。以下の写真のように、商品マスタを登録しておけば、タップするだけで、レジができます。
スマホやタブレットで入力するだけではなく、年次、月次、週次、時間ごとといった売上もほぼリアルタイムに確認できます。商品の売れ筋ランキングもすぐ分かりますし、商品の粗利を登録しておけば、利益率もすぐ確認できます。
つまり、ABC分析が自動的に出来上がるわけです。お店の売り上げや利益を改善していくためには重要なポイントですから、ぜひやってみたい機能ですね。
なお、領収書などのプリンターは有料ですので、必要に応じて用意する必要があります。
(5)会計ソフト
会計ソフトは昔から色んな物があります。弥生会計などパソコンにインストールするタイプのものと、クラウド型のFreeeなどがあります。会計データなので、インターネットにつなぐのはちょっと・・・という方は、パソコンインストールタイプがいいでしょうし、利便性を考えるとクラウドの方がよいですね。
スマホから入力できたり、離れたところにいる税理士さんと同じデータを見ながら打合せができたり、データをわざわざ送付したりする必要が無いのがいいですね。
また、分析データなども外部の人に集計してもらわなくてもすぐ確認できますし、青色申告の書類がそのままドーンと出てくるので、日々の入力がちゃんとできていれば申告も簡単です。
Freeeの他にも、MFクラウド会計も良く出来ていますよね。
(6)その他
他にも創業時に使って便利なサービスはいろいろとあります。
・ファイルのバックアップ/共有のDropbox
・スケジュール管理は GoogleCalendarで
・複数のメールアドレス統合は、Gmailで
・無料グループウェア サイボウズLive
・Webで作れるデータベース Kintone
Kintoneとかすごいですよね。多少コストはかかりますが、今までAccessなどで組んでいたデータベースをWebで簡単に実現できます。ちょっとしたシステムを作りたい時にはぜひ利用したいサービスです。(月額1,500人×最低5アカウント必要)
また、創業時のITで一番よく相談を受けるのはホームページの作成やネット・ショップの作成やソーシャルメディアのはじめ方です。この3つについては、記事も長くなってきたので、次の機会にまとめてみたいと思います。