情報産業の老舗リクルートがPOSレジに参入!「Airレジ」を試用してみた感想は・・・

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引用元:(株)リクルートホームスタイル ウェブサイト

今回は、スマホ/タブレットを使ったレジのお話です。

最近、お店のレジにスマホ/タブレットを使っているのを見かけるようになりましたね。チェーンじゃない、内装がDIY風のちょっと小洒落た飲食店に多い気がします(超主観的ですが、男性店員のヒゲ率高い)。

タブレットなどの情報端末に専用アプリをインストールすればレジの出来上がり。あとは必要に応じてキャッシュドロワ(お金入れておくヒキダシ)やらレシートプリンタやらクレジットカードリーダーやらをつけてグレードアップ。導入が簡単・維持費が安い・データ管理が楽、といったメリットが個人経営のお店には魅力です。

従来型のPOS(ポス、Point of Sales)レジは1万円台からあるようですが、実はPOSでお金がかかるのはレジ本体よりもシステムとネットワーク。レジのバーコードで読み取った商品一点ごとの情報を集積して、売れ筋や買い物傾向の分析に使う機能が高価なんです。

でその高価な部分を、システムとネットワークの代わりにアプリとインターネットを使って手軽にやっちゃおうというのが、この情報端末を使ったPOSレジなわけです(かなりざっくりした説明なのでご専門の方すみません)。

そういうわけでこの「情報端末POSレジ」サービスを提供しているのはICT系のベンチャーが多いです。「タブレット POS」で検索して出てくる会社は、ざっと見たところだいたい創立10年以内の若い会社がほとんどな気がします。

そんななか情報産業の老舗、リクルートグループが情報端末を利用したPOSレジシステムの提供を開始。ベンチャーにはない人やら金やらモノやら情報をつぎ込んで、どんな展開を見せるのか、その行方を勝手に注目しています。

サービスを開始したのは株式会社リクルートライフスタイル。クラウドレジアプリ「Airレジ」を2013年11月から提供しています。

使い方はいたって簡単。アカウントを作り、自前のタブレットなどにアプリをインストール。あとは各種設定をちょこちょこっとやったらタブレットがレジスターマシンに早変わり。ま、この段階ではお金入れるヒキダシもレシート機能もないわけですが、それは必要に応じてつなげばOK。

最大の特徴は何と言っても月額利用料が無料なこと。
初期費用(アプリ)無料は普通ですが、競合するベンチャーが数千円の月額料金のなか、いきなり横綱が余裕の大盤振る舞いです。ただそのぶん(?)、顧客管理機能はありません(商品管理はもちろんある)。いずれ、プレミアムユーザー向けのオプションサービスとして有料提供するのでしょうか。

次に大きいのはリクルートグループのポイント会員を囲い込めることです。リクルートグループは、ホテル予約サイト「じゃらん」や「ホットペッパー」など、「リクルートポイント」を貯めたり使ったりできる多くのサービスを持っています。お客は、自分のスマホに「Airウォレット」という無料アプリをインストールすれば、店頭のAirレジでQRコードをかざしてポイントを貯める/使うことができます。

もしかすると、顧客管理機能を提供していないのは、将来、リクルートポイント会員の膨大なデータをAirレジに接続して有料提供する作戦なのかもしれません(ざっくりした推測なのでご専門の方すみません)。

その他には、米Square社のカード決済システムや、無料クラウド会計ソフトのfreeeに売上データを連動させるなどの機能拡張もあります。

さて、実際にPIT会員が試用してみた感想は・・・
①飲食店向けのサービスかも:登録できる商品が400件と限られ、バーコードリーダーも接続できないため、アイテム数が多い雑貨店などでの利用は考えにくい。飲食店なら、メニュー数はその範囲に収まる。リクルートポイントとの連携も、飲食業にメリットが大きそう。

②従業員1〜2名程度の小規模店舗がベスト:ファミレスなどではテーブルで注文を端末に入力すると、調理指示伝票とテーブル(会計)伝票が同時に出力される。Airレジにそうした機能拡張はない(2014年8月時点)。オーダー・調理といったオペレーションは従来通りの紙ベースで、精算(レジ)だけ情報化したい、といった小規模店舗に向いている。

今後期待することは・・・
①上のように、注文から調理・提供・レジまでの一連のプロセスで使用する各種伝票類の出力・データ連携(オーダリングシステム対応)が実現するとより大規模・複雑なオペレーションに対処できる。

②個別会計に対応すると便利(お店の利用者にとっても、これは必須ですね)。

小規模ベンチャーがひしめくなかに参入した巨人・リクルート。
情報端末を使ったレジシステムは今後も普及が進みそうなので、業界全体の動向に注目ですね。

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