炎上マーケティングって?

ITnews

「炎上マーケティング」という言葉を最近聞くことがある。

ウィキペディアを調べると、次のような説明が書かれています。

「炎上マーケティング(えんじょうマーケティング)とは商業用語はの一つで、炎上を引き起こし、世間に注目させることで売り上げや知名度を伸ばすというマーケティングの手法である。故意または意図せず炎上をきっかけとして、その企業や商品の存在すら知られていなかった状態から、世間に知れ渡ったという宣伝としての効果が存在する場合がある。そのため意図的に社会からの不評を買うような事をして炎上を発生させ、宣伝費をかけずに自社の存在を知れ渡らせることが出来る。メディアでも炎上マーケティングの結果、ある商品が売り上げを伸ばしたり知名度を上げたと報道される場合がある。」

 要約すると、「敢えてネガティブな発信や行動をすることで、世間に反感を巻き起こすことで注目を集めるマーケティング手法」ということですね。

 ネットを検索すると出てくる最も有名な成功事例は、ルーマニアのチョコレート「ROM」の事例です。ルーマニアの国旗をパッケージに印刷している国民的なお菓子でしたが、売上が低迷していました。パッケージをアメリカの国旗に変更したところ国民の愛国心が沸き起こり「炎上」したのですが、即座に元のパッケージ(ルーマニア国旗)に戻したところ、売上が拡大したという分かりやすい事例です。                                    

チョコ

 ←イメージです。本文の商品とは関係ありません。

日本国内の事例としては、あまり有名でないタレントが、映画や番組などに出演する前に、スキャンダルチックな話題をメディアに提供し宣伝をするようなことを、「売名行為」という名称で、よく見かけます。これも炎上マーケティングの一種と言えるのでしょう。

 日本国内の失敗事例として有名なのは、北海道長万部町のイメージキャラクター「まんべくん」の、いわゆる「まんべくん騒動」です。毒舌発言が注目を集めて人気があったが、「戦争に関する発言」により非難が集中したことで、謝罪しTwitterの閉鎖に追い込まれました。

このあたりの事例から教訓めいたものを導き出せるとすると、以下が考えられます。

1.  炎上後に、自らその炎上を終息させる計画があり、最終的には、マーケティングの対象者にポジティブな気持ちを抱いてもらえるストーリーを持っている場合に限ること。

2.  反対の言い方では、1のようなストーリーを描けない場合には、ただ燃え上がるだけになるので、決して火を付けないこと

3.  炎上のキッカケとしても、やっぱり踏み込んでいけない領域があることを理解すること。

また、一つ付け加えると、炎上マーケティングの場合は、短期的には成功したと思える案件の場合でも、長期的には悪いイメージだけが浸透してしまう可能性もあるように感じます。

 いずれにせよ、世間の注目を集めるために行動する宣伝手法は過去にもあったように思いますが、「炎上マーケティング」というように体系的に取り上げられ始めたのは、最近のことのようで、成功事例も失敗事例も、これから多く出てくるのでしょう。

 ただ、成功と失敗が紙一重のマーケティング手法と感じますし、失敗した場合の後遺症は協力に残りますので、通常のマーケティング手法以上に、周到な準備・計画を行い、そして確実に成功するようなストーリーを描けたときだけ実行に移すことが大切に思います。

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